旅先でスーツケースが壊れた経験、ありますか。
もしあるなら、思い出してみてください。おそらく、割れたのはボディではなかったはずです。
修理業者に話を聞くと、驚くほど同じ答えが返ってきます。スーツケースが壊れる場所は、ほとんどの場合たった3ヶ所しかない。そして、そのどれもが、店頭で買う前に確認できるものです。
この記事では、その3ヶ所と、誰でも5秒でできるチェック方法をお伝えします。Ashardの商品ページを見る前に、まずこれを読んでください。
壊れるのは、いつも同じ3ヶ所
1. キャスター(車輪)
最も多い故障箇所です。
安価なスーツケースは、中空プラスチックの一輪キャスターを使っています。ホテルのカーペットの上では問題ありません。壊れるのは、石畳、砂利、駐車場のコンクリートの継ぎ目——つまり、実際の旅先です。
さらに見落とされがちなのが音です。深夜のホテルの廊下、早朝の駅のホーム。ガラガラという音は、単にうるさいだけでなく、車輪が路面から受けている衝撃の大きさをそのまま表しています。うるさい車輪は、壊れる車輪です。
2. 伸縮ハンドル(キャリーバー)
2番目に多い故障箇所。
肉厚の薄いアルミパイプを、ゆるい公差で組んだハンドルは、引くたびにわずかにぐらつきます。そのぐらつきを200回の旅で掛け算すると、ある日ロック機構が効かなくなります。
新品の状態でぐらつくハンドルは、必ず悪化します。逆はありません。
3. ファスナー(ジッパー)
最も静かで、最も致命的な故障です。
移動中に開いたファスナーは、「壊れた」では済みません。手荷物受取所のターンレーンに、あなたの持ち物をそのまま撒き散らします。
ここで、この3つに入っていないものに注目してください。ボディ(シェル)です。
みんなシェルの素材を気にします。でも、シェルが原因で寿命を迎えるスーツケースは、ほとんどありません。
Ashardが予算をかけているのは、実際に壊れる場所であって、写真映えする場所ではありません。
「ハードかソフトか」は、実は重要な質問ではない
最もよく聞かれる質問ですが、答えても役に立ちません。本当に見るべきは、素材の種類と、それが本体構造とどう接続されているかです。
| 素材 | 耐衝撃性 | 重さ | 経年変化 |
|---|---|---|---|
| ABS | 低い | 軽い | 低温で割れやすい |
| ポリカーボネート(PC) | 高い | 軽い | たわんで元に戻る |
| アルミニウム | 非常に高い | 重い | へこみが残る(味になる) |
| PC+ABS複合 | 中〜高 | 非常に軽い | 傷が目立ちにくい |
多くの旅行者にとってポリカーボネートが正解なのは、プラスチックとしては珍しい性質を持っているからです。衝撃を受けるとたわみ、そして元の形に戻る。ABSは割れますが、PCはへこんで戻ります。
ただし——ここが重要です——優れたシェルも、弱いフレームに固定されていれば意味がありません。シェルの強さは、シェルとフレームが出会う「角」の強さでしかありません。
Ashardのアルミフレームモデルが、100%ポリカーボネートのシェルに強化アルミフレームを組み合わせているのはこのためです。約2mの落下試験と、フロントパネル160kgの耐荷重は、シェル単体ではなくこの接合構造があって初めて成立します。
買う前の5秒テスト
どのブランドでも、どの店でも使えます。Ashardの実店舗がない分、この基準を公開しておきます。
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ハンドルを最大まで伸ばして、左右に揺らす。
数ミリを超えるガタつきがあれば、やめておきましょう。そのぐらつきは必ず悪化します。 -
キャスターを手で回して、音を聞く。
一輪より二輪(ダブルキャスター)。硬いプラスチックより、衝撃を吸収する素材。回したときにゴリゴリと音がするものは、路面ではもっと鳴ります。 -
ストッパーがあるか確認する。
電車内、スロープ、傾いた駅のホーム。ストッパーのないスーツケースは、手を離した瞬間に勝手に動きます。地味ですが、実際の旅で最も体感差が出る機能です。 -
ファスナーを一周、速く動かす。
どこかで引っかかる、ためらう——そこが将来の破損点です。 -
空の状態で持ち上げる。
機内持ち込みなら3.5kg以下。それ以上は、自分のスーツケースを運ぶために航空会社に追加料金を払っていることになります。
ほとんどのスーツケースは、この5つのうち2つ以上で落ちます。Ashardの製品にも、そのまま試してください。そのつもりで公開しています。
正直に書いておきたいこと
Ashardは、すべてを最上級で作っているブランドではありません。価格帯によって仕様は違います。
- ファスナーの仕様はモデルによって異なります。YKK製ファスナーを採用しているモデルはYKKファスナー スーツケースにまとめてあります。ここに入っていないモデルは、YKKではありません。曖昧にせず、コレクションで分けているのはそのためです。
- 保証期間は1年です。5年でも10年でもありません。実際にお約束できる期間だけを書いています。
- 返品は30日間無料です。上の5秒テストを、届いてから実際にやってみてください。合わなければ返してください。
長く使えるものを作ることと、実力以上のことを言わないことは、同じ姿勢の裏表だと考えています。
「壊れないもの」を買うことの、実際の計算
¥6,000のスーツケースを3年ごとに買い替えると、15年で¥30,000。それに加えて、5回の買い物、5回の廃棄、そして少なくとも1回は「言葉の通じない国で壊れる」という思い出がついてきます。
しっかり作られたスーツケースは、最初に少し多く払い、それ以外のすべてで少なく払います。
道徳の話ではありません。ただの算数です。
よくある質問
スーツケースはどのくらい持つべきですか?
きちんと設計されたスーツケースなら、通常の旅行頻度で8〜10年が目安です。5年未満で壊れる場合、どこかの部品が「寿命」ではなく「価格」に合わせて設計されています。
アルミフレームとファスナー、どちらを選ぶべきですか?
アルミフレームは開閉の剛性と耐衝撃性で有利、ファスナーは軽さと拡張機能で有利です。預け入れ中心ならフレーム、機内持ち込み中心なら軽さを優先しても構いません。
買う前に一番確認すべきことは何ですか?
キャスターです。故障の大半がここから始まり、コストダウンの対象になりやすい部品でもあります。
保証は本当に意味がありますか?
キャスター、ハンドル、ファスナー——実際に壊れる3ヶ所をカバーしている場合だけです。この3つを除外した保証は、約束ではなく広告です。
静音キャスターは本当に違いますか?
違います。ただし「静か=高級」ではなく、「静か=路面からの衝撃をうまく処理できている」ということです。音は結果であって、目的ではありません。
おわりに
スーツケースは、旅の間ずっと意識しなくて済むものであるべきです。
それが設計の目標のすべてで、あとは装飾です。